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2024年9月28日土曜日

秋日和 / Beautiful Autumn Day... 20240928

 

秋日和 容赦なき醒めた現実せまりをり我 然にあらがはず
:

clear autumn sky…
a relentless cold reality
looms over me
 … yet
I do not resist it

:
( C)2024Rika Inami 稲美里佳
:

the passion of autumn in each red leaf 
comfort before the winter’s chill
:
(C) Dennis Gobou

:


numbered 

are the leaves that fall

and days to pass

:

(C)Ashoka Weerakkody  

 


2024年9月19日木曜日

有明--Morning Waning Moon--20240919


有明や西の暒空わたりゆく恋(こほ)しき望は幽かも影し

:

Waning moon
crosses the clear morning
western sky—
with the full moon I long for
casting a faint shadow

:

( C)2024Rika Inami 稲美里佳

:




画像
Moon is hanging
About with morning sky
Only white shadow
:
+ Otteri Selva Kumar

:


full moon
always the vulnerable  
celestial virgin
:
(C)Ashoka Weerakkody


Translated into Spanish by Maria Isabel Etcheverria Lavallero  

:
Luna menguante
cruza la mañana clara
cielo occidental—
con la luna llena que anhelo
lanzando una débil sombra
:
by Rika Inami
:
Translated by Maria Isabel Etcheverria Lavallero  


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 一昨日は仲秋の名月で昨日は満月でした。

お月見を期待して、夕刻、例年通り、月が昇る東に向けて芒とお団子を供えていました。が、あいにくの曇天で仲秋の月を拝むことはできませんでした。

昨夜の満月はといえば、少々は満月が雲間から出たようですが、運悪く、私は用事があり見ることができませんでした。

今朝のことです(2024/9/19 彼岸入り)。暁の頃、西空に月を見ることができたのは。
気温20℃、雲は退き風無きひんやりと澄んだ仲秋の空にほっかりと浮かび、暁の太陽に空の座をゆずり渡ってゆく有明でした。

この月見で先の二日間のお月見の願いは漸く解消した次第でした。 





 

2024年9月14日土曜日

The Earth...20290914

<私が自然を詠う理由を詠いました>
―Why I have composed Tanka on Nature>―
 

時はもや灼熱にしてゆるされず森の木蔦にやすらふことも

:

Time
is already scorched
and unforgiving—
I cannot find rest
on the forest's ivy

:


2

噴き上げむ地中深くにとぐろ巻く灼熱の星 間に合ふか

:

A blazing planet
with troubles coiling deep
into the earth—
Will mankind be able to solve
before time runs out?
:
(C )2024Rika Inami 稲美里佳
:

creation inherits
inevitable destruction
restless otherwise
:
(C )Ashoka Weerakkody




2024年9月13日金曜日

秋桜-Cosmos......20240913

 

地をめぐり小花咲きつぐ秋桜(こすもす)の宙(そら)へあかるむ坂道をゆく

:

circulating around the earth
florets go on blooming
I walk up
the slope Cosmos brightening
to the Universe

:

From  “TANKA HARAKO” by Rika Inami

:

The above is my early tanka work.

作品は拙著『短歌 原狐』からです。
初期作品(2004年)です。
秋田県湯沢市の秋ノ宮までドライブした時に、
コスモスがとても印象的だったので詠いました。
先日からペーパーバックの作成を開始しています。

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Sun's rays
lavish upon the dawn ...
cosmic charm
:
Ashoka Weerakkody


2024年9月7日土曜日

キバナコスモス / Golden Cosmos... 20240907

 

風にゆれ我にとびこむコスモスの朝日色にし区切りの日とす

 :

Cosmos
swaying in the wind,
and flying to me
with the morning sun’s hue…
I make today a boundary day

 :

( C)2024Rika Inami 稲美里佳

 :

softest minds
rustling with breezy passage
of time
:

( C) Ashoka Weerakkody






          ---------                                                                                

じつは、この一首はキバナコスモスの色の表現に悩みました。

オレンジ系のキバナコスモスですが、できたら日本の伝統色で表現したいと思いました。

伝統色のサイトで調べると、黄丹(おうに)色がぴったりしています。


が、Google のsearch AI によると、


黄丹色は、皇太子の袍の色とされ、天皇の御袍の色である「黄櫨染(こうろぜん)」とともに「絶対禁色」でした。皇太子の地位を意味する太陽の色を表現しているともいわれています。現代では、雛人形などに黄丹色が見られます。」


他の色について書いてあるサイトでも同様の事が記載してあります。

となって、私は非常に悩みました。

私ごときの短歌に「黄丹」ということばを使ってよいものか、不遜極まりないことではないか……


どうしようか......さらに調べると、「黄丹色」は太陽が昇る色、ともヒットしました。
これだったら構わないのではないかと思い、私は4句目に「朝日色」と入れ、
漸く落ち着いた次第でした。

尚、初稿は以下のように詠いました。

風にゆれ我にとびこむコスモスの彩(いろ)あざやかにし区切りの日とす

「彩(いろ)鮮やか」よりは、具体的な色名を入れたほうが、写真無しで表現する場合、
読み手に訴えるのではないかと思い、改稿した次第でした。

結句について、何の「区切り」かは秘密です🤫







2024年9月3日火曜日

時の台風 / A True Storm...20240902

 真正の時の嵐や雨一過 珊珊去りて秋風さやぐ

:

a true season's storm...
after weakened Shanshan
pouring rain
passes through these islands
and autumn breeze rustles

 :

    (C )2024Rika Inami稲美里佳



 

2024年8月31日土曜日

むくげ / Rose of Sharon .......20240831

 

:
ゆるやかに早秋の道つづきゐむ葉叢にうかぶ木槿は白し
:
my path in early autumn
will gently stretch on ―
Rose of Sharon
floating amid thick shrubs
blooms pure white
:
( C) 2024Rika Inami 稲美里佳
:
:
-------------------------------------
crystal dew ...
purity and clarity falling
drop by drop
:
(C )Ashoka Weerakkody
:
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連日、ゆっくりと進み各地に被害をもたらしている台風10号(SHANSHAN)の進路に注意をはらっていますが、今(8月31日18時)は、近畿地方の東方、太平洋に目を置いているようです。今後、紀伊半島を北上し9月2日までには熱帯低気圧に変わるとのこと。
Yahoo News より。

台風が弱まり熱帯低気圧に変貌したとしても、雷雨や線状降水帯が発生し大雨をもたらすかもしれません。
ここ1週間ばかり、朝となく夕べとなく、台風の情報に注意を払っていましたが、油断は禁物のようです。

木槿の短歌は、台風の進路を気にしながら、早朝の雨が已んでまた軽く降ってきた雨にも打たれながら、ゆっくりと歩をすすめ散歩をしていた時に詠いました。

川沿いの道は私のお気に入りの散歩コースの一つです。

前日の雷雨で増水した川の流れから漸く目をそらし、しばらく歩いていました。この辺りには八重の木槿が咲く筈。その木槿を見ることも、この季節のその道の散歩の目当てでもあります。道の脇を見ると、咲いていました。灌木の葉叢のなかに咲く白い木槿を。去年は淡いピンク色だった筈と思いましたが、その日に見た木槿の色は、水晶のような雨露を花びらたたえ滴らせていた、思いがけない白でした。

木槿の学名は Hibiscus syriacus。 英名はRose of Sharon。
英名は、9年前にあるSNSに投稿した際に、アメリカ人の友人が教えてくれました。私は、花名の英名を調べるのが甘かったのか、そのときに学名からHybiscus 止まりで英訳してしまったのかもしれません。
"Rose of Sharon"、なんて素敵な花名でしょう。

 "Rose of Sharon"、シャロンの薔薇とは、旧約聖書の雅歌第2章に出てくる花のことです。
 
「わたしはシャロンのばら、谷のゆりです。」と、雅歌第2章は始まっています。

思えば、いろいろな詩や文章でその言葉を見ていたような気がしました。

以来、私は "Rose of Sharon"を忘れることがありませんでした。
その聖書に出てくる花は本当に木槿なのか、薔薇なのか、百合なのか、はっきりとは分かりませんが、美しい花であることは間違いないようです。

また木槿は韓国の国花でもあります。

「無窮花(ムグンファ)」、次々に咲く生命力の強さから、古くから韓国で愛でられてきたようです。この花名も強さと深さが読み取れ、魅力を感じます。