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2021年4月19日月曜日

Tanka by Rika Inami44の歌から1


清風に佐保姫舞ふか蕗のたう雪消(ゆきげ)の間よりかをりたゆたふ
 
does Sahohime
dance Spring gracefully
in supple breezes?
the fragrance of butterbur drifts
through the thaws
 
    Sahohime/ Princess Saho is the spring goddess in Japan.

 (C)2021Rika Inami 稲美 里佳


  先週末、秋田国際俳句ネットワークのホームページの短歌ページに< Tanka by Rika Inami 44>が掲載された。実は今も継続しているが、先月来、あまり明るい気分の日々を送っていない。単に漠然と気分的に落ち込んでいるのではない。理由はあるが、公然とは話したくないし書きたくもない。ともかく、とても大きな黒い塊に押しつぶされそうな日々を送ってきている。今月はそんな複雑な心の色合いが短歌に出ているようだ。

 冒頭の歌は、うつうつと巣ごもり状態で数日過ごした後、雪解けも進んだ3月16日に詠ったものである。家裏で、温かい西風のなかにほっこり見えた蕗の薹が眩しかった。初稿は「西風に佐保姫訪(と)ふか蕗のたう雪消の間よりかをりたゆたふ」であった。我が家の西風は鳥海おろしである。家の西側遠くに鳥海山が見えるが、その方角からやってくる風になる。かなり離れてはいるが西の方角には日本海があり、春にはその温かさを乗せて風が吹く。そのまま西風にしようかとも思ったが、調べてみると西風は必ずしも春の温風でもないようであったので、風について悩んだ(因みに、佐保姫は東の風を司るという)。仏教の夏のお盆と並ぶ一大行事の彼岸が間近いので「涅槃風」「涅槃西」もいいなと思ったが、それでは、2句目の神道系の日本の春の神である「佐保姫」と合わない。しかも、どちらも強い言葉だ。落ち着いたのが清風であった。これを詠った日、私は心もち欝々とした暗い夜が明けて、まだ肌寒いが眩しいばかりに爽やかな風を感じもした。


清風に 佐保姫舞ふか 蕗のたう 雪消の間より かをりたゆたふ Tiszta levegő, Ahogy tavasz tündére táncol Vörös keserűlapú illata sodródik Hóolvadáson keresztül. Translated by Ban Mihaly


森は唄う 春の声で 静かの泣き声 雲霧で 微かな仄めく。 Zenél az erdő tavasz hangján, Halk csicsergés Felhők ködében, Halovány derengés.

(C) Ban Mihaly

佐保姫に思いもよらぬ悪魔来る花の命を愛でる事なく

(C)Ryuuji Suwa


まえ つぎ


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〇短歌小説 五次元歌人: 
こちらは現在、私の他のブログにて連載中です。










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