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2022年7月7日木曜日

梓/ Yellow Catalpa ...20220707


かねてより知りたき木の名を知りえたり

昨夜(きぞ)の雷避(よ)くやキササゲ



以前から知りたいと思っていた木の名前が分かりました。キササゲの木です。

ささやかな「知る」というイベントですが大事にしています。いつもの散歩中、知ったきっかけは、その木が花を咲かせていたからでした。

それなりに高い木で、四方にひろげている葉と垂れ下がっている実は、何となく見ていて木名を知りたいとも思ってはいましたが、調べることに熱意はありませんでした。
その木の花を見るのは初めてでした。

<あれ、ここに花が咲く木なんて、あったっけ?>

少し遠目では白っぽく親指ほどの花を鈴なりにつけていました。
近づいてみました。
一つ一つの花は蘭に似ています。
葉っぱは大きく葛に似ています。
木の下で、私はiPhoneで調べました。

ありました、ありました、ノウゼンカズラ科の落葉高木のキササゲ(木大角豆)です。きっとキササゲです。別名も私は調べます。木や花の名前にはよく別名があり、歌を詠む場合、別名を使った方が風情が出る場合があるからです。

カミナリササゲ、カワギリ、ヒサギとも呼ばれています。中国名では梓とのこと。梓について調べると、新旧細かい分類上の行き違いがあるようです。万葉の時代から歌に読まれた梓は、現在はキササゲではなくカバノキ科のヨグソミネバリ(ミズメ)が定説とのこと。が、本来的には梓はキササゲとのこと。なんだか頭がこんがらがってきました。

また梓についていえば、それは令和の徳仁天皇の御印とのこと。

私はここで大変な木を知ってしまったように感じました。「梓-あずさ」「梓弓」「上梓(じょうし)」とよく本の中で見たり聞たりしてはいましたが、実際、梓とはどんな木か知りませんでした。実物を今まで知らなかったのが恥ずかしくなりました。
おそらく何処からか飛んできて根をおろした野生の木だとは思いますが、名前を知り好きになりました。

梓という名前が気に入りました。万葉の時代の梓がどうやらミズメだったとしても、梓=キササゲは中国本来の木名です。


しばらくは梓を見上げ佇まむ

花の心に現(うつ)し身よせて


万葉の時を経たるや梓の木

幾年過(よ)ぎりわれ此処にあり


その花容 蘭にも似たる梓花

東西行き交ふ歴程おぼゆ



All rights reserved (C)2022Rika Inami



2022年7月2日土曜日

夏鶯・Warbler - 20220702

 


今朝の散歩で面白いことがありました。

この頃、先日まで朝しきりに呼び掛けていた自治体の環境課の「熊出没注意」の警報車がまわってきません。

それをいいことに、いえいえ決して熊に油断はしていませんが、今朝はいつもの散歩コースをとりました。

山間に足を踏み入れたのです。見たところ畑もあり、あまり危険では無さそうです。こんな油断がいけないとは十分承知しています。が、やはりアスファルトで舗装されていない土の道は足裏に程よい感触があり、辺りの景色も折々の樹々や草木の変化が眺められ、退屈しない散歩コースです。

山間の入り口付近、私はいつもよりも静かだなと思いました。

いつも「ホーホケキョ、ホーホケキョ」と甲高く啼いていた鶯の声が聞こえなくなったのです。

ああ、夏だからとうとう鶯も啼き已んだんだなと思いました。


鶯のやうやう啼きやみ夏きたる繁る青葉は隙を埋めをり

 

私はその場で足を止めiPhoneに書き留めました。

それから数分そのまま歩を進めました。

歩を進めるにつれて小鳥のピー、ピー、ピー、ピッ、ピッ、ピッ等、何種かの小鳥のさえずりが入り混じって聞こえてきました……どんな鳥が啼いているのかしら、鳥の名前を知りたいなあ……

と、なんと今度は鶯が「ホーホケキョ、ホーホケキョ、ホーホケキョ」と盛んに啼いているではありませんか。

うーん、鶯さん……テリトリーの場所を変えたのかしら、と私は思いました。鶯は繁殖やテリトリーの関係で夏でも啼くとのこと。さっきの歌を変えなくちゃ。

 

夏きたる老鶯なほも身を潜め青葉繁葉の隙に鳴きたり

 

まるで私の目の前か、頭の上かで啼いているようです。鶯と私の距離は近いはずです。私は、先日来、鶯の写真を撮りたものだと目を凝らしてあたりを眺めています。45倍の倍率があるカメラ(デジカメ)のレンズを伸ばしてあちこち見回しました。が、今度もどこに潜んでいるのか分からずじまいでした。

私をからかっているのかしら?

私は今日も鶯の姿を認めることを諦めました。


わが漫ろ惹くや鶯 冴え澄みし啼き声たかく君ともおもふ


この山間の道は数分も歩けば終わります。その後は農道の道です。私は農道へと続く下り坂への道を歩いていきました。杉林あたりにかかりました。あ、ピタリと鶯の声が已みました。不思議なほどピタリです。

錦糸梅が咲いている農道に続く坂道の下に着いたとき、私の胸のなかには既に妄想やら何やら楽しいもやもやしたものがわき上がってきていました。


老鶯や森去る我が背見送るかうるはしき声ぴたり已みたり

 

All rights reserved(C)2022Rika Inami 稲美里佳








 


睡蓮の蕾-Water Lily's Buds 20220702

 

当地はまだそれほど暑くはなっていませんが、一昨日、私は熱中症になったようでした。天気は雨が降ったり止んだり。降り止むと晴れ間が見えました。梅雨が明けたとはいえ、梅雨を感じる一日でした。

たしかなことではありませんが、日中急に異様な眠気におそわれ私はそのまま眠り込んでしまったのでした。目覚めると少し吐き気がしました。気温を見ると、室内気温27くらいでそれほどでもありませんでした。が、湿度がやや高かったかなと思っています。

湿度60()、温度計はデジタルですが、亡くなった義叔母からもらったもので、古くて不正確の可能性があります。

家の通気はといえば、涼しい風が家内を吹き抜けていたので、こんなに気分が悪くなったのは全く予想外でした。

大したことをしていませんが、疲れもあったのかもしれません。大した事をしていないと「やらなければならない」という意識が迫り自分に負荷をかけてしまいます。

電力不足が叫ばれ節電と言われているこの頃、私は家のなかの整理とともに家の中の風通しをさらによくしました。部屋の窓への簾掛けも去年よりも増やしリビングにまで掛けました。

私の居室や寝室は2階にありますが、片付けで使う部屋が1室増え暑いときには、北の部屋を使うようにしています。北側なら、エアコンを使用しても省エネになるなと思っているからです。

我ながら3室も使えるのは贅沢なことだと思っています。

昨日は用事で少し遠出をしました。遠出といっても往復距離200kにもなりませんでした。大仙市や秋田市では最高気温23度前後で涼しい一日でした。相変わらずの梅雨空で、車を運転していると霧のような雨がフロントガラスを時折濡らしました。

 


2022年6月27日月曜日

二羽の鴨/ Two Ducks 20220627

 

<先日の事 / On the other day>

 

フォトクラウドを開けたれば君と我ならびてゐたり 一切了解

 

when I logged  

into the photo cloud--

photos of you

and me side by side

Got it!


(C)2022Rika Inami 稲美里佳





2022年6月25日土曜日

苧環/ Columbine-20220625

 


強固なる漢の友情や さればこそ謎なほ深く事進むらむ

 

What a strong

male friendship

you two are!

So, things will go on

more mysteriously


(C)2022Rika Inami 稲美 里佳






2022年6月23日木曜日

嬉しいメール…Happy E-mail


昨日、嬉しいことがありました。

Kindle からメールが届いたのです。内容はKindleで作り出版したペーパーバックの著書専用価格(著者コピー価格)で買えるようになったというお知らせのメールでした。


Kindle Japanで制作出版できるのはオンデマンド印刷ですが、私は予々何冊か手元に置いておき図書館等に配ったり近くの書店に置いておいてもらえたらと思っていました。


もちろん定価で購入することはできますが、どうせなら自作制作物ですから、アメリカのKindleのように著者コピーで買えたらなと内心願っていました。

一見すると、Kindle Japanでは出版後すぐにでも著者コピーが購入できるように思えるのですが、それは日本では一昨日まで不可能なことでした。


Kindle ペーパーバックの作成の提供は昨年10月に開始されたばかり、本を作りやすいように、原稿や表紙のフォーマットは提供してくれました。

が、著者コピーまでは開始時には手がまわらなかったのでしょう。


さあ、それが可能になったのです。

近いうちに可能になるにちがいないと思っていましたが、待った甲斐がありました。


著書コピーは印刷価格で購入できます。

とりあえず早速、目下の必要部数を注文しました。


写真は花梨(かりん)の花です。




上記はこちらのブログのアドレスです。もう一つのブログは休止中です。
いつになるかわかりませんが、書籍化する予定です。

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<amazonには著者ページが二つあります>

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amazon 稲美里佳著者略歴





2022年6月21日火曜日

薔薇 Rose ---June 21th 2022

 

にはか立つ嵐のごとく渦巻きし念の一つは詠ひしづまる


like a storm

a fiery thought rises 

and whirls…

I quench it

with writing tanka

 


(C)2022Rika Inami 稲美里佳