今朝の散歩で面白いことがありました。
この頃、先日まで朝しきりに呼び掛けていた自治体の環境課の「熊出没注意」の警報車がまわってきません。
それをいいことに、いえいえ決して熊に油断はしていませんが、今朝はいつもの散歩コースをとりました。
山間の入り口付近、私はいつもよりも静かだなと思いました。
いつも「ホーホケキョ、ホーホケキョ」と甲高く啼いていた鶯の声が聞こえなくなったのです。
ああ、夏だからとうとう鶯も啼き已んだんだなと思いました。
鶯のやうやう啼きやみ夏きたる繁る青葉は隙を埋めをり
私はその場で足を止めiPhoneに書き留めました。
それから数分そのまま歩を進めました。
歩を進めるにつれて小鳥のピー、ピー、ピー、ピッ、ピッ、ピッ等、何種かの小鳥のさえずりが入り混じって聞こえてきました……どんな鳥が啼いているのかしら、鳥の名前を知りたいなあ……
と、なんと今度は鶯が「ホーホケキョ、ホーホケキョ、ホーホケキョ」と盛んに啼いているではありませんか。
うーん、鶯さん……テリトリーの場所を変えたのかしら、と私は思いました。鶯は繁殖やテリトリーの関係で夏でも啼くとのこと。さっきの歌を変えなくちゃ。
夏きたる老鶯なほも身を潜め青葉繁葉の隙に鳴きたり
まるで私の目の前か、頭の上かで啼いているようです。鶯と私の距離は近いはずです。私は、先日来、鶯の写真を撮りたものだと目を凝らしてあたりを眺めています。45倍の倍率があるカメラ(デジカメ)のレンズを伸ばしてあちこち見回しました。が、今度もどこに潜んでいるのか分からずじまいでした。
私をからかっているのかしら?
私は今日も鶯の姿を認めることを諦めました。
わが漫ろ惹くや鶯 冴え澄みし啼き声たかく君ともおもふ
この山間の道は数分も歩けば終わります。その後は農道の道です。私は農道へと続く下り坂への道を歩いていきました。杉林あたりにかかりました。あ、ピタリと鶯の声が已みました。不思議なほどピタリです。
錦糸梅が咲いている農道に続く坂道の下に着いたとき、私の胸のなかには既に妄想やら何やら楽しいもやもやしたものがわき上がってきていました。
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〇短歌小説 五次元歌人: こちらは現在、私の他のブログにて連載。只今、諸事情により休止しています。いつになるか分かりませんが、出版を予定しております。〇Tanka Novel: Poet of the Fifth Dimension
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