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2022年7月31日日曜日

旧長谷山邸行の短歌/ Tanka for going to the former Haseyama Residense


先日の旧長谷山邸行の短歌です―
(こちらが7月24日のページです)


奔流のおつるが如く雨はふる七曲峠(ななまがりとうげ)けはしき途上


rain

falls like a torrent

steep road up

the Nanamagari Pass

to the destination


険しきの七曲峠越えたれば田代の里はひろがりにけり

 

庭まなか神のいませし割れし石 かたるを秘めて雨にうたるる

 


(いにしえ)の落人住みし奥羽(みちのく)の山間(やまあい)深く営々と継ぐ

 

豪雪にあれど天災すくなくし田野肥沃に人和に棲み得


なほ奥の判官沢に手負ひつる源氏の落人定住てふ

 

五行歌の里にも見ゆる長谷山邸す空きの階に歌ならべらる

 

今は無き高瀬中なつかしき大岡信先生作詞校歌 


※高瀬中学校の校歌の作詞は大岡信先生、作曲は一柳慧先生でした。高瀬中学校は2016331日に閉校しました。

 

年々に過疎に向かふも高めゆく高きにあるや羽後の里愛 



里にあり手負ひの傷は癒ゆきて奏づる歌は迸る如



All rights reserved (C)2022Rika Inami 稲美里佳

 

<Rika Inami/ 稲美里佳 Social Media>

2022年7月29日金曜日

紫光差すトンボ / Dragonfly with Purple Light -20220729

 

このごろ、ブログが書きやすくなりました。

以前は結構ブログの体裁にこだわっていて、なかなか文章が進まなかったのですが、最近テーマは思いついたままに、このブログはどうせ私の日常生活なんだからと思い、思いついたままに書いています。

今日も暑くなりそうです。予想最高気温は33℃、最低気温は21℃。

現在4:35で今が一番涼しいときでしょうか。

窓を開けると戸外からひんやりとした空気が入ってきます。


雲ややに退()き朝日差す草露にトンボうるほひ紫光幽(かす)かも

 

abating clouds
morning sun coming out…
a dragonfly
on dewdrop of the grass
shines with faint purple light
 
(C)2022Rika Inami


この1首を友だちに送ったところ、こんなお返事をいただきました。

Dear Dragonfly Inami! 
In this world we live. 
We fly while we're alive. 
Squeeze the Omega-3 out of us. 
Thank you for not forgetting! 







2022年7月28日木曜日

夏来たる/ Summer arrives -20220728

 

西方に霊峰のぞむ観念のたより吾にも開きたるかな

looking 
to the spiritual 
mountain in the west
for me, too, seems
to be open to the way
of attaining enlightenment

(C)2022Rika Inami 稲美里佳


一昨日7月26日、こちら北東北も梅雨が明けました。

いよいよ夏の到来。一昨日から猛暑になっています。

私は暑さに弱いのですが、エアコンにもそれほど強くありません。

なるべく自然の風にあたっているのが好きです。

が、流石に30℃越えはきつく頭痛がしてきたので、今日の日中はエアコンの風に涼んでいました。

こんな猛暑の日々のなかで良い部屋を見つけました。

もちろん家の中でです。夜以降は都会のように熱帯夜にはならないので、私は自室の窓を開けているのですが、そのなかで一番涼しい部屋を見つけたのです。

洗濯干し部屋です。

私の家にはベランダはありません。乾燥機はありますが、使わずにもっぱらタオル入れになっています。洗濯物は2階の2畳半ほどの洗濯干し部屋に干します。

洗濯ものを干し終わって取り込んだあとに、この部屋が夜とても涼しいことに気づきました。

洗濯干し部屋ですから、窓は広くとってあります。

西に面している家の裏側で、隣家はなく視界は開け田んぼの四季を一望のもとに見渡せます。対面するのは山々。やや小さめにですが、通年で晴れた日には鳥海山が見えます。里山の太平山はほぼ真向いに見え、月が西に渡ったときには、椅子を持ち込んで写真を撮ったりもしてきました。秋の紅葉時には山々の彩りが絶景です。冬は山々、田野が白一色になり白い原野と化します。

こんな洗濯部屋ですが、夏の夜にはここで涼むのも良いかなと思っています。


※鳥海山は霊峰といわれています。写真は今月7月4日の早朝に撮りました。




<Rika Inami/ 稲美里佳 Social Media>

2022年7月27日水曜日

神-God from AIH 59

From Tanka by Rika Inami 59

御旨(みむね)は如何に夢に問ふひたすらに控へ仕ふるは覚束なし

 

God!

I ask, "What is your will?"

in my dream

it's unclear and unsettling

just to serve modestly


魔界にていとも無残に条の道ひきちぎられてゴミ収集車

 

in the Satan world…

a reasonable way

was

cruelly torn up and easily

put in a garbage truck


(C)2022 Rika Inami 稲美里佳


―Thank you for your reply and translation into Hungarian


Elmúlik az idő, A lebegő hold is, Ohara, Tiszta vízen a homály Magánosan, mint a nevem.
良暹 御神々! 私の運命を導く そのようなになる 欲しいは この人生は神々のもの 一度の与えたものは このも返すことを要求する

(C)Ban Mihaly


御旨は 如何に夢に問 ふひたすらに 控へ仕ふるは 覚束なし
Isten! Kérdem én: "Mi a te akaratod?" Álmot kérni Nyugtalanító öntudatlanság, Hogy szerényen szolgálni téged

Translated by Ban Mihaly



夏の鶯/ Summer Warbler from AIH59

夏きたる老鶯なほも身を潜め青葉繁葉の隙に啼きたり

 

summer arrives

a bush warbler still hides

singing songs

in the nooksof green and thriving leaves 



わが漫ろ惹くや鶯さえ澄みし啼き声たかく君ともおもふ


a warbler

must attract my rambling

his voice is

high and clear

I think of the bird as you 


(C)2022Rika Inami 稲美里佳


―Thank you for your reply and translation into Hungarian


森は話す
風の音で
神の助かった
これまでに連れてきた
苦い心配
飛蝗は大声で唄う
バイオリンの音に
静かに祈ってこと
Megszólal az erdő
Szelek hangján,
Köszönöm istenem
Eddig kihoztál,
Aggódó keserves
Hangon sáska énekel,
Hegedű hangjára
Imádkozok halkan


(C)Ban Mihaly


夏きたる 老鶯な ほも身を 潜め青葉 繁葉の隙に啼きたり Megérkezett a nyár, Berkiposzáta friss levelek közt, Dalokat énekel, Kis résekben Még zöld és virágzó valóság.

Translated by Ban Mihaly





<Rika Inami/ 稲美里佳 Social Media>


2022年7月24日日曜日

旧長谷山邸行/ To the former Haseyama Residence

 

昨日は七曲峠(ななまがり)をとおって秋田県羽後町にある旧長谷山邸に行ってきました。

旧長谷山邸は羽後町田代(うごまちたしろ)地域の旧地主豪農の長谷山家の家を修繕した館で現在は、総合交流促進施設になっています。

蔵の中にある鎌鼬美術館

また鎌鼬(かまいたち)美術館も併設されています。

美術館には秋田県出身で、戦後を代表する舞踏家の一人、土方巽(ひじかた・たつみ)の写真が展示されています。土方巽は昭和40年9月26日27日、写真家の細江英公とともに羽後町の田代を訪れ、2日間の滞在中に住民と触れあい共に村を舞台にした写真撮影をしました。

土方の田代で撮った代表作「鎌鼬」に因んで、美術館は命名されました。

なお、土方巽の巽の己の部分は閉じているのですが、漢字変換で出てこないのでやむをえずこの字を使います。


私は家族の用事で同伴したのですが、時間はいつでもと言われたので、ふらりと気の向くまま出発しました。

ところが昨日は特に午後から大雨で、それは事前に天気予報で分かっていましたが、私たちは長谷山邸行を決行しました。

というのは取材の意味があったからです。

ならば、いろいろなお天気の日に行ったほうが良かろうということで、決定しました。

悪天候ならば、もしかしたら雲が切れたときに雲の流れを見ることができるかもしれない……

などなど下心がありました。

が、到着後、会う筈の人は午前中にはいらしたが帰られたということで、日をあらためて再訪ということになりました。

それでも昨日は私にとってそれなりに実りがありました。

私の疑問の一つが解決したからです。

私はかねてからこの田代地域さらには延長線上の仙道地域、特に田代の奥の軽井沢地域は落人の里だと聞いていました。

落人といえば源平の戦いあたりのとも聞いていましたが、源氏なのか、平氏の落人なのかはっきりさせたかったのです。

以前、羽後町郷土史を読んだことがありますが、その点ははっきりと書かれていなかったと記憶しています。

雨が小降りになったのを見計らい車から出て長谷山邸に入りました。中には、たまたま秋田羽後五行歌の会代表の菅原弘助さんがおられました。

菅原さんは田代在住の方で長谷山邸の管理のお一人です。菅原さんに長谷山邸の蔵屋敷の中を案内していただきました。

まず五行歌の展示を拝見しました。

長谷山邸の蔵屋敷の2階に上がる広い踊り場に五行歌の作品が展示されていました。

羽後五行歌の会会員と五行歌会誌に掲載されている全国からの五行歌作品を抜粋し昨秋から展示されたとのこと。

そして、「此処に昨11月、五行歌創立者の草壁焔太先生も訪れて五行歌を常設展示することにした」と喜んでいわれました。

草壁焔太先生(向かって右から2人目)と秋田羽後五行歌会員の方々
後ろの写真は土方巽の代表作「鎌鼬」の田代村住民との写真です











菅原弘助氏

落人の話も菅原さんからお聞きしました。

「この辺りは豪雪地帯ではあるが、山の中にあるといっても、それほど高い山の中にある訳でもなく、大きな天災にも見舞われないので、昔から落人が住み着いたようだ。

平安時代あたりからかな。

源氏平氏どちらもだと思う。

昔は奥方をたくさん持てたので、負けた貴族武士本人は関東以西に逃げたが、奥方は東北に落ち延びたようだ。

この先の古米沢(こごめざわ)の判官沢(はんがんざわ)というところには源氏の子孫だという家がある。

この邸の長谷山家は江戸時代に下総(今の千葉県)からやってきた比較的新しい家系だ」

などなど盛り沢山に貴重なお話をいただきました。

何せ落人、史実という書物に残すと、命が狙われる危険があるとのことで、古くからの口承のようですが、私の疑問もとりあえずこれで解決しました。

長谷山邸に来たのに、お屋敷の紹介はそこそこになってしまいました。

写真は何枚か撮ってきました。


長谷山邸の渡り廊下

外から見た渡り廊下
3階の大広間



長谷山家は地主であり、また肝入りでもあったので、佐竹藩に
仕えていたとのこと
ガス燈







<Rika Inami/ 稲美里佳 Social Media>


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