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ゆるやかに早秋の道つづきゐむ葉叢にうかぶ木槿は白し
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my path in
early autumn
will
gently stretch on ―
Rose of
Sharon
floating
amid thick shrubs
blooms
pure white
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( C)
2024Rika Inami 稲美里佳
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crystal dew ...
purity and clarity falling
drop by drop
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(C )Ashoka Weerakkody
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連日、ゆっくりと進み各地に被害をもたらしている台風10号(SHANSHAN)の進路に注意をはらっていますが、今(8月31日18時)は、近畿地方の東方、太平洋に目を置いているようです。今後、紀伊半島を北上し9月2日までには熱帯低気圧に変わるとのこと。
台風が弱まり熱帯低気圧に変貌したとしても、雷雨や線状降水帯が発生し大雨をもたらすかもしれません。
ここ1週間ばかり、朝となく夕べとなく、台風の情報に注意を払っていましたが、油断は禁物のようです。
木槿の短歌は、台風の進路を気にしながら、早朝の雨が已んでまた軽く降ってきた雨にも打たれながら、ゆっくりと歩をすすめ散歩をしていた時に詠いました。
川沿いの道は私のお気に入りの散歩コースの一つです。
前日の雷雨で増水した川の流れから漸く目をそらし、しばらく歩いていました。この辺りには八重の木槿が咲く筈。その木槿を見ることも、この季節のその道の散歩の目当てでもあります。道の脇を見ると、咲いていました。灌木の葉叢のなかに咲く白い木槿を。去年は淡いピンク色だった筈と思いましたが、その日に見た木槿の色は、水晶のような雨露を花びらたたえ滴らせていた、思いがけない白でした。
木槿の学名は Hibiscus syriacus。 英名はRose of Sharon。
英名は、9年前にあるSNSに投稿した際に、アメリカ人の友人が教えてくれました。私は、花名の英名を調べるのが甘かったのか、そのときに学名からHybiscus 止まりで英訳してしまったのかもしれません。
"Rose of Sharon"、なんて素敵な花名でしょう。
"Rose of Sharon"、シャロンの薔薇とは、旧約聖書の雅歌第2章に出てくる花のことです。
「わたしはシャロンのばら、谷のゆりです。」と、雅歌第2章は始まっています。
思えば、いろいろな詩や文章でその言葉を見ていたような気がしました。
以来、私は "Rose of Sharon"を忘れることがありませんでした。
その聖書に出てくる花は本当に木槿なのか、薔薇なのか、百合なのか、はっきりとは分かりませんが、美しい花であることは間違いないようです。
また木槿は韓国の国花でもあります。
「無窮花(ムグンファ)」、次々に咲く生命力の強さから、古くから韓国で愛でられてきたようです。この花名も強さと深さが読み取れ、魅力を感じます。