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2023年3月19日日曜日

白鳥の歌について/ about Tanka on the Swan from AIH 67

      

春の雪 幽かに影り消ゆる川 対を俟つかな白鳥一羽

 

spring snow

shimmering and melting

into the river

a swan looks

as if waiting for a mate

 

(C )2023Rika Inami 稲美 里佳

From Tanka by Rika Inami(67)

 

この歌は、毎月わたしが歌を寄せている秋田インターナショナル俳句ネットワーク(AIHと略してもいわれています)に掲載された10首のうちの1首です。写真は2月の半ば過ぎに撮りました。

わたしは、その日、またあの幼い頃にあそんだ町の大地主の旧別荘をまた撮っておこうと思いたったのです。AIHに提出した写真は、iPhoneで撮った1枚でした。デジカメでも何枚か撮っておきたいと思ったのです。

わたしは以前撮った場所の記憶をたどりながら、そこへぶらぶら歩いていきました。それは住宅街から見えたはずだと思い込んでいました。そして、ここだった筈だ、ここだった筈だ、と思いレンズを向けました。

が、どうもあれと同じ写真は撮れません。

おかしいと思い、住宅街を先へと進むのをやめて、私はその反対側の川沿いに向かいました。旧別荘は町を流れる川沿いにあり、川に向かって建てられています。

近くには橋がかかっています。

あ、ここだ、と私は思いました。橋の中ほどから私は撮ったようでした。スポットが見つかったので、わたしは何枚か撮ったあとで、川の下を見ました。

そうしたら、その白鳥が居たのです。

雪がちらほら舞うように降るなか白鳥は仲間連れでなく、ただ一羽、優雅にゆっくりと泳いでいました。

水の中に首を突っ込んで餌を探しているようでもありません。

あちらに顔を向け、こちらに顔を向け、ゆったりと何かを待っているようでした。

つがいの白鳥が、その対を待っているように見えました。

首筋のしなやかな動きは、どことなく西馬音内盆踊りで、踊り笠を目深にかぶり、白いうなじを見せながら踊っている女性のようにも見えました。


Facebookに投稿したら、ご返歌と写真を頂きました。諏訪様、ありがとうございます。

白鳥の一羽残るは怪我を負い北へは飛べず釧路の湖に

 

C)Ryuuji Suwa


吉川様からは白鳥の写真を頂きました。ありがとうございます。


Thomas Beck 様からは写真と白鳥にまつわるとても素敵なコメントを頂きました。

ありがとうございます。


A very nice sharing dear Rika San. Swans are present in many European fairy tales, symbolizing chastity (partly because of their white plumage), artistry, and beauty.

Take for example Tchaikovsky‘s ballet „Swanlake“ from 1877. A symbol of the European romantic sense of the time…

Even the wedding dresses remind the look of the swan 

On a related note, swans are associated with fidelity, loyalty in marriage, and monogamy, because they mate for life.

I wish you a happy weekend. Regards

 

親愛なるリカ・サン、とても素敵なシェアリングです。白鳥はヨーロッパの多くの童話に登場し、貞操(白い羽のせいもある)、芸術性、美しさを象徴しています。

例えば、チャイコフスキーの1877年のバレエ「白鳥の湖」です。当時のヨーロッパのロマンティックな感覚の象徴ともいえる...

ウエディングドレスも白鳥🦢の姿を連想させますね。

関連して、白鳥は生涯交尾をすることから、貞節、結婚における忠誠、一夫一婦制を連想させます。

では、楽しい週末をお過ごしください。よろしくお願いします。

 









 




 



2023年3月12日日曜日

春の日差し--Tanka & Photo

 

凍つる池 春の 陽差すも解かれえず底ひにまどろむ睡蓮おもふ

*

をちこちゆ玲怜たる音ながれたり山よりの雪代淀みなし

*

(C)2023稲美 里佳

*

この写真を撮ったときには、数枚同じような写真を撮り、別の短歌でも使っています。もしどこかでご覧になっても同じ写真ではありません。

しかし、3月に入って青空が見え4月並みの温かさとはいえ、当地はまだ花の季節を待たなければならないようです。。梅も桜の蕾もしっかりと固まっています。


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2023年3月11日土曜日

Jungle Gym/ ジャングルジム----Tanka & Photo

 

平和への祈りの籠る色合ひか青黄の遊具に真白の深雪


a jungle gym...

players for peace

its colours

are blue, yellow,

and the white of deep snow.


(C)2023Rika Inami 稲美 里佳



昨日今日と漸くいろいろ終わり、ほっとしています。

ということで、散歩をしてみました。

3月に入り、良いお天気がつづいていましたが、事務的になことで済ませなければならないことがあり、存分に散歩ができませんでした。

最近の散歩は......以前にも書いたかもしれませんが.....1つ2つの決まったコースではなく、近辺をいろいろ歩いています。

今日はメーンの町の中を歩きました。

過疎化している田舎町なので、いろいろといっても格別目を惹くようなものを目にすることはできませんが、それでも四季の移り変わりのなかで、いつも目にしている物が別の見方で見えたりすることがあります。

それが今日見たジャングルジムでした。

青と黄がウクライナの国旗に、そして雪の白さは平和への祈りのように見えたのでした。









2023年2月24日金曜日

夕月 / Tonight's Crescent Moon 2023Feb24


束の間に雪雲きれて月の影やさしくうかぶ早春の妙

 

for a moment…

snow clouds breaking

moonlight appears

mysterious early spring 

gently floats


(C )2023Rika Inami 稲美里佳





 


2023年2月22日水曜日

束縛と従順 on Tanka by Rika Inami (66)

 

束縛のにほひにふるへ歩きけり雪原燦く冬晴れの朝

 

Restraint…

I walk quivering

with its smell

It's a fine winter morning

with sparkling snowfields

 

 

従順のつひに叫びき「われ違ふ!」囲の渦中 時は流れて

 

Obedience

finally exclaimed

'I'm not so'

in an enclosing world

…time flows


(C )2023Rika Inami 稲美 里佳


From Tanka by Rika Inami (66)







2023年2月20日月曜日

シクラメンの花について on Tanka by Rika Inami (66)

 


雪雲の透けてひきゆく間に描くわが想念のあれこれかも

 

all my thoughts

and feelings to draw

while snow clouds

are moving in and out

through my heart


( C)2023Rika Inami 稲美 里佳

From Tanka by Rika Inami (66)


昨年末、近くのホームセンターで処分品のシクラメンの苗を2鉢買いました。

1鉢55円(税込)でした。2本ぐらいの花が咲いていて、ほぼ咲ききっているようには見えましたが、まだ蕾がそれなりについていたので買いました。帰宅後、すぐに2鉢を一緒にして一つの鉢に移し替え、家の中では温かいほうの自室の窓辺に置きました。寒いせいもあったのか、蕾が咲いてくるまでには時間がかかりましたが、1月末頃に蕾が咲いてきて、2月中旬にはほぼ満開になりました。

外の景色が白になる冬期、上の1首にシクラメンの花を添えてみました。


寒波鳴る荒びの風雪ことごとく真白にかへし現し身こもる

 

echoing cold wave…

the winter-raging snow 

returns

all to pure white

I shut myself in


From Tanka by Rika Inami (66)






2023年2月19日日曜日

花苑の歌について from Tanka by Rika Inami (66)

 

白雪の零るるばかりしきふれば幼なの頃の花苑(はなぞの)ぞ開()

 

unending

white snow falling

and spilling…

my childhood nostalgic 

flower garden opens up 


寒波鳴る荒びの風雪ことごとく真白にかへし現し身こもる

 

echoing cold wave…

the winter-raging snow 

returns

all to pure white

I shut myself in


( C)2023Rika Inami 稲美 里佳

From Tanka by Rika Inami (66)


この歌は、雪の降る日の散歩中に詠いました。

写真に写っている周辺は嘗て私たちは「〇〇公園」と呼んでいた庭園でした。だれでも自由に出入りでき、幼い私は、幼馴染と一緒に庭園内でよく遊んだものでした。池の鯉や亀と戯れ、昆虫採りをしたり、かくれんぼ、鬼ごっこしたり。初夏にはニセアカシアの蜜を吸ったものでした。春には、家族で花見をしたものです。

が、実は其処は公園ではなく、町の大地主の私園であると知ったのは、小学校に上がって、社会の授業中に先生から教えられてでした。知ったからといって何かが変わったわけではありませんでしたが、確かに記憶に残るような学習事項でした。それほどしっかりと先生が私園と公園の違いを教えてくださったのでしょう。ショックだったと記憶しています。

写っている建物は別荘で中ではいろいろな集まりや会が催されました。詩吟、能、茶会、句会、歌会、ロータリークラブ等々。

その後、その庭園は人手にわたり、嘗てとは違い、自由に出入りできなくなりました。近年は渡った先での管理が悪く、残念ながら荒れてしまいました。私は木柵越しに花を眺めることしかできません。

が、雪の降る日の散歩中に見た庭園は、樹々にまるで花が降りそそがれたように白い雪の花を咲かせているではありませんか。別荘も一景になり趣のある雪景色を呈しています。

タイムスリップでもしたように幼時の「公園」が私の目の前に出現したのでした。


<Thank you for your reply>


Winter embraces me
With cold laced fingertips
Pressed against my face
As I stare deep into spring
And her garden of colour


(C )Richard Lacoursiere CD



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