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2023年2月24日金曜日

夕月 / Tonight's Crescent Moon 2023Feb24


束の間に雪雲きれて月の影やさしくうかぶ早春の妙

 

for a moment…

snow clouds breaking

moonlight appears

mysterious early spring 

gently floats


(C )2023Rika Inami 稲美里佳





 


2023年2月22日水曜日

束縛と従順 on Tanka by Rika Inami (66)

 

束縛のにほひにふるへ歩きけり雪原燦く冬晴れの朝

 

Restraint…

I walk quivering

with its smell

It's a fine winter morning

with sparkling snowfields

 

 

従順のつひに叫びき「われ違ふ!」囲の渦中 時は流れて

 

Obedience

finally exclaimed

'I'm not so'

in an enclosing world

…time flows


(C )2023Rika Inami 稲美 里佳


From Tanka by Rika Inami (66)







2023年2月20日月曜日

シクラメンの花について on Tanka by Rika Inami (66)

 


雪雲の透けてひきゆく間に描くわが想念のあれこれかも

 

all my thoughts

and feelings to draw

while snow clouds

are moving in and out

through my heart


( C)2023Rika Inami 稲美 里佳

From Tanka by Rika Inami (66)


昨年末、近くのホームセンターで処分品のシクラメンの苗を2鉢買いました。

1鉢55円(税込)でした。2本ぐらいの花が咲いていて、ほぼ咲ききっているようには見えましたが、まだ蕾がそれなりについていたので買いました。帰宅後、すぐに2鉢を一緒にして一つの鉢に移し替え、家の中では温かいほうの自室の窓辺に置きました。寒いせいもあったのか、蕾が咲いてくるまでには時間がかかりましたが、1月末頃に蕾が咲いてきて、2月中旬にはほぼ満開になりました。

外の景色が白になる冬期、上の1首にシクラメンの花を添えてみました。


寒波鳴る荒びの風雪ことごとく真白にかへし現し身こもる

 

echoing cold wave…

the winter-raging snow 

returns

all to pure white

I shut myself in


From Tanka by Rika Inami (66)






2023年2月19日日曜日

花苑の歌について from Tanka by Rika Inami (66)

 

白雪の零るるばかりしきふれば幼なの頃の花苑(はなぞの)ぞ開()

 

unending

white snow falling

and spilling…

my childhood nostalgic 

flower garden opens up 


寒波鳴る荒びの風雪ことごとく真白にかへし現し身こもる

 

echoing cold wave…

the winter-raging snow 

returns

all to pure white

I shut myself in


( C)2023Rika Inami 稲美 里佳

From Tanka by Rika Inami (66)


この歌は、雪の降る日の散歩中に詠いました。

写真に写っている周辺は嘗て私たちは「〇〇公園」と呼んでいた庭園でした。だれでも自由に出入りでき、幼い私は、幼馴染と一緒に庭園内でよく遊んだものでした。池の鯉や亀と戯れ、昆虫採りをしたり、かくれんぼ、鬼ごっこしたり。初夏にはニセアカシアの蜜を吸ったものでした。春には、家族で花見をしたものです。

が、実は其処は公園ではなく、町の大地主の私園であると知ったのは、小学校に上がって、社会の授業中に先生から教えられてでした。知ったからといって何かが変わったわけではありませんでしたが、確かに記憶に残るような学習事項でした。それほどしっかりと先生が私園と公園の違いを教えてくださったのでしょう。ショックだったと記憶しています。

写っている建物は別荘で中ではいろいろな集まりや会が催されました。詩吟、能、茶会、句会、歌会、ロータリークラブ等々。

その後、その庭園は人手にわたり、嘗てとは違い、自由に出入りできなくなりました。近年は渡った先での管理が悪く、残念ながら荒れてしまいました。私は木柵越しに花を眺めることしかできません。

が、雪の降る日の散歩中に見た庭園は、樹々にまるで花が降りそそがれたように白い雪の花を咲かせているではありませんか。別荘も一景になり趣のある雪景色を呈しています。

タイムスリップでもしたように幼時の「公園」が私の目の前に出現したのでした。


<Thank you for your reply>


Winter embraces me
With cold laced fingertips
Pressed against my face
As I stare deep into spring
And her garden of colour


(C )Richard Lacoursiere CD



<Rika Inami/ 稲美里佳 Social Media>


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