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2023年9月2日土曜日

炎暑去りゆく 20230902


やうやうに炎暑さりゆく夜半(よわ)なるか虫の音なほも秋をひろぐる

midnight…
finally swelter seems
to leave
singing of the insects 
spreading autumn

©2023Rika Inami 稲美里佳


今日は随分涼しくなりました。
今夏は猛暑日が続き、最高気温連日の35度前後。隣市では一昨日39度超にもなり観測史上はじめての気温だったといいます。
最低気温もしばらく25度前後で熱帯夜が続いていました。

昨日の朝からやや朝方は涼しくなり、朝の散歩も楽になりましたが、まさか急にこんなに涼しくなるとは、気持ちがイイー! 22度とアプリの天気予報には表示されていますが、もっと低いのでは。

夜中に目が覚めた私はもう眠れそうにないので、いそいそと起きあがり窓を開けました。
冷たい風が暑さでバテていた私の身体をいたわるように包んでくれました。

深夜、暗い田圃のなかから虫の音だけが、盛んに聴こえてきます。

写真は今朝の散歩時に撮りました。



2023年3月20日月曜日

不安と悲しみ / Anxiety and Sorrow From AIH 67


崩落の瓦礫累々 土叙(トルコ・シリア)地震かなしみ溢れ世界ゆるがす

 

in heaps of debris
from falling buildings―
grieves overflow
Turkey and Syria earthquakes
quivering the world

 

遥かなる被災地の友の安否は……無事であれよとWEBをたづぬ

 

How are 

my friends in the faraway 

disaster areas?

with prayers for their safety

I ask the web 

 

宇の戦争なほも続きて胸さわぎ今日も隣国ミサイル飛ばす 

 

The war in Ukraine

still going on breaks my heart…

Today too

Japan’s neighbouring country

launched missile



(C )2023Rika Inami 稲美里佳



Facebookの友だちのChaojun Lu様からご返歌をいただきました。

美しい漢詩、ありがとうございます。


詩人把故鄉雪花
飄到遠方 地震的破碎瓦片
飄到炮火摧殘 焦黑土地

飄回到故鄉的手錶 眼淚

( C)Chaojun Lu


 

先月224日でロシアによるウクライナ侵略がちょうど一年を迎えました。

昨年のこの日にウクライナにロシアが侵略した時には、まさか今この時代に主権国家の他国にまさかプーチンが率いるロシアが武力で侵略し戦争を起こすとは予想すらしていなかったことでしょう。

プーチンは侵略はゼレンスキー大統領の亡命等で直ぐに終わると思い込んでいたようです。が、彼の期待に反してゼレンスキー大統領による粘り強い抵抗と民主主義国家による大きな支援により今日まで続いています。

この戦争により国連が、残念ながら解決の力にならなかったのは残念でなりません。

常任理事国のロシアがロシアの侵略阻止に拒否権を発し、それが続いているからです。

この事により、国連の問題点が指摘され、その改革或いは新たな世界平和のための組織を考えざるをえなくなりました。

ロシアという大きな共産主義の国家の他国への侵略戦争により、民主主義国家と共産主義国家の対立という様相が表面化し、世界戦争まで進むかもしれないと深く憂慮されてまでいます。

考えられる武器は核兵器です。

何としてでも、この長引くウクライナでの戦争、ロシアの不当な他国の侵略を止めなければ、大変な事になるのは、今では誰でも想像しえます。

 

よもや如くに核に脅へて生くるとは思はざりしの過去を生きけり

 

I lived 

in the past when I never 

thought 

of living in such fear 

of nuclear weapons


(C)2023Rika Inami 稲美里佳

 

話は前後しますが、2月に入り、ああウクライナでの戦争もかれこれ一年経ったかと思っている矢先、26日に震度7.8のトルコ・シリア地震が起きました。

震度は日本の東日本大震災よりもなかったのですが、建築の脆さで居住していたビルが一瞬にして壊滅し、運悪く時間帯の悪さも影響し、死者5万人以上という東日本大震災を上回る大惨事、被害になりました。

 

日常的に目に見え肌で感じる温暖化による自然の変化、それゆえの地球の地盤が脆くなり、元々プレートにズレ等の問題がある地点で、近年、地震が多発しているのでしょう。

 

大きな悲しみと不安と危険が広がっています。

他人事ではなく私たちの身に迫り沁みてきています。

 

2023年3月19日日曜日

白鳥の歌について/ about Tanka on the Swan from AIH 67

      

春の雪 幽かに影り消ゆる川 対を俟つかな白鳥一羽

 

spring snow

shimmering and melting

into the river

a swan looks

as if waiting for a mate

 

(C )2023Rika Inami 稲美 里佳

From Tanka by Rika Inami(67)

 

この歌は、毎月わたしが歌を寄せている秋田インターナショナル俳句ネットワーク(AIHと略してもいわれています)に掲載された10首のうちの1首です。写真は2月の半ば過ぎに撮りました。

わたしは、その日、またあの幼い頃にあそんだ町の大地主の旧別荘をまた撮っておこうと思いたったのです。AIHに提出した写真は、iPhoneで撮った1枚でした。デジカメでも何枚か撮っておきたいと思ったのです。

わたしは以前撮った場所の記憶をたどりながら、そこへぶらぶら歩いていきました。それは住宅街から見えたはずだと思い込んでいました。そして、ここだった筈だ、ここだった筈だ、と思いレンズを向けました。

が、どうもあれと同じ写真は撮れません。

おかしいと思い、住宅街を先へと進むのをやめて、私はその反対側の川沿いに向かいました。旧別荘は町を流れる川沿いにあり、川に向かって建てられています。

近くには橋がかかっています。

あ、ここだ、と私は思いました。橋の中ほどから私は撮ったようでした。スポットが見つかったので、わたしは何枚か撮ったあとで、川の下を見ました。

そうしたら、その白鳥が居たのです。

雪がちらほら舞うように降るなか白鳥は仲間連れでなく、ただ一羽、優雅にゆっくりと泳いでいました。

水の中に首を突っ込んで餌を探しているようでもありません。

あちらに顔を向け、こちらに顔を向け、ゆったりと何かを待っているようでした。

つがいの白鳥が、その対を待っているように見えました。

首筋のしなやかな動きは、どことなく西馬音内盆踊りで、踊り笠を目深にかぶり、白いうなじを見せながら踊っている女性のようにも見えました。


Facebookに投稿したら、ご返歌と写真を頂きました。諏訪様、ありがとうございます。

白鳥の一羽残るは怪我を負い北へは飛べず釧路の湖に

 

C)Ryuuji Suwa


吉川様からは白鳥の写真を頂きました。ありがとうございます。


Thomas Beck 様からは写真と白鳥にまつわるとても素敵なコメントを頂きました。

ありがとうございます。


A very nice sharing dear Rika San. Swans are present in many European fairy tales, symbolizing chastity (partly because of their white plumage), artistry, and beauty.

Take for example Tchaikovsky‘s ballet „Swanlake“ from 1877. A symbol of the European romantic sense of the time…

Even the wedding dresses remind the look of the swan 

On a related note, swans are associated with fidelity, loyalty in marriage, and monogamy, because they mate for life.

I wish you a happy weekend. Regards

 

親愛なるリカ・サン、とても素敵なシェアリングです。白鳥はヨーロッパの多くの童話に登場し、貞操(白い羽のせいもある)、芸術性、美しさを象徴しています。

例えば、チャイコフスキーの1877年のバレエ「白鳥の湖」です。当時のヨーロッパのロマンティックな感覚の象徴ともいえる...

ウエディングドレスも白鳥🦢の姿を連想させますね。

関連して、白鳥は生涯交尾をすることから、貞節、結婚における忠誠、一夫一婦制を連想させます。

では、楽しい週末をお過ごしください。よろしくお願いします。

 









 




 



2023年3月12日日曜日

春の日差し--Tanka & Photo

 

凍つる池 春の 陽差すも解かれえず底ひにまどろむ睡蓮おもふ

*

をちこちゆ玲怜たる音ながれたり山よりの雪代淀みなし

*

(C)2023稲美 里佳

*

この写真を撮ったときには、数枚同じような写真を撮り、別の短歌でも使っています。もしどこかでご覧になっても同じ写真ではありません。

しかし、3月に入って青空が見え4月並みの温かさとはいえ、当地はまだ花の季節を待たなければならないようです。。梅も桜の蕾もしっかりと固まっています。


<Rika Inami/ 稲美里佳 Social Media>


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<Akita International Haiku Network>

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2023年3月11日土曜日

Jungle Gym/ ジャングルジム----Tanka & Photo

 

平和への祈りの籠る色合ひか青黄の遊具に真白の深雪


a jungle gym...

players for peace

its colours

are blue, yellow,

and the white of deep snow.


(C)2023Rika Inami 稲美 里佳



昨日今日と漸くいろいろ終わり、ほっとしています。

ということで、散歩をしてみました。

3月に入り、良いお天気がつづいていましたが、事務的になことで済ませなければならないことがあり、存分に散歩ができませんでした。

最近の散歩は......以前にも書いたかもしれませんが.....1つ2つの決まったコースではなく、近辺をいろいろ歩いています。

今日はメーンの町の中を歩きました。

過疎化している田舎町なので、いろいろといっても格別目を惹くようなものを目にすることはできませんが、それでも四季の移り変わりのなかで、いつも目にしている物が別の見方で見えたりすることがあります。

それが今日見たジャングルジムでした。

青と黄がウクライナの国旗に、そして雪の白さは平和への祈りのように見えたのでした。









2023年2月24日金曜日

夕月 / Tonight's Crescent Moon 2023Feb24


束の間に雪雲きれて月の影やさしくうかぶ早春の妙

 

for a moment…

snow clouds breaking

moonlight appears

mysterious early spring 

gently floats


(C )2023Rika Inami 稲美里佳





 


2023年2月22日水曜日

束縛と従順 on Tanka by Rika Inami (66)

 

束縛のにほひにふるへ歩きけり雪原燦く冬晴れの朝

 

Restraint…

I walk quivering

with its smell

It's a fine winter morning

with sparkling snowfields

 

 

従順のつひに叫びき「われ違ふ!」囲の渦中 時は流れて

 

Obedience

finally exclaimed

'I'm not so'

in an enclosing world

…time flows


(C )2023Rika Inami 稲美 里佳


From Tanka by Rika Inami (66)