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2022年7月15日金曜日

ヤゴの羽化/ Dragonfly Hatching ---20220715


乳白の夏靄つつむ泥田より

水蟇(ヤゴ)ら羽化して無心の輪舞


from the paddy

wrapped in milky white

summer mist

dragonfly naiads hatch

and dance in a circle



毎日いろいろな事が起きます。

衝撃的な事件などが起きると、今日はブログにこのことを書こうと心積もりしていたことよりも、そちらに気がまわり優先してしまいます。


掲載した歌は今月の初め頃に詠いました。

田圃にはられていた水が早稲に吸水しきられず、まだ水田の状態でした。


田圃を見ながら歩いていると、ちょっと手前の田圃からふわふわと虫が浮かび上がるように出てきて輪になって空中に舞っています。


私はそのとき田圃から何が発生しているのか良くわかりませんでした。

しかも朝靄がかっていました。


<たぶん蚊だろう>


とは思いましたが、なぜか気になりました。というのは、辺りには蚊よりもトンボが飛び回っているのが目についていたからです。

小さなトンボがひょいひょいと飛んでいました。

虫の正体は何か?田んぼの上で輪を描いているなかから一匹が抜けました。私はじっとその1匹を追いました。

あ、畦の草に止ってくれました。

そろりそろりと近づきました ...... 小さなトンボでした。


田圃の中にはいろいろな生物がいます。

アメンボ、ボウフラ(蚊の幼虫)、オタマジャクシ(蛙の幼生)、ヤモリ、ヤゴ(トンボの幼虫)など。


私はこのときヤゴが変態しトンボに成った瞬間に遭遇したんだと思いました。感激!

草に止まったトンボは私がかなり近づいてもじっと動かず、身じろぎもせずそこにいました。



羽ばたくや田居のをさなのヤゴら発つ

靄の包みし文月(ふづき)の慶事


flying up

dragonfly naiads away

from the paddy…

a happy event in July

wrapped in mist





草の露 里を恋ふるや

変容のをさなのトンボ片時離(か)れず


dewdrops on the glass…

young dragonfly

to which metamorphosed

 now, must miss home

 never leaves there



以上、

All rights reserved (C)2022Rika Inami



<生物学的な歌へのご返歌、ありがとうございます>


シジュウカラ
楽しい声に
嵐音
桔梗の葉っぱ
押し隠すこと


暗い夜の前に行きなさい 明るい月光は 曲がりくねった道で 風が運ぶの轟音。 太陽を探して 神々の声に 雑音の海で 隠れ星を。 製作神は前に行きなさい 霧に歩き回れて 影の中で小さなアオガラは 大声で叫ぶ 目覚めの夏の雷雨


(C)Ban Mihaly


私の短歌をハンガリー語へ翻訳くださいまして、ありがとうございます。


こちらは初稿でした。

訳: Ban Mihaly








Enter

Ban

2022年7月13日水曜日

時の話題/ Topic of The Occasion -20220713


人を殺(や)る事情は深く燃えあがる

地の闇さらす銃狙撃事件


(C)2022稲美 里佳



2022年7月8日、安倍元総理大臣が参議院選挙の立候補者の応援演説中に銃で狙撃され亡くなりました。


容疑者は凶弾事件発生後に即刻現行犯逮捕されました。


時は7月10日参議院選挙日を間近に控えていました。

事件を知った当初、私は、この日本でも一国の首長級を狙ったテロまがいの銃撃事件が起きたことに並々ならない衝撃を受けました。


間もなくこの凶悪事件の容疑者の犯罪理由が明らかになりました。

犯罪理由は安倍元総理大臣の政治信条等が理由ではなく、宗教団体に関係していたのです。

私はそのことを知り参議院選挙の前日にWEB上のニュースで知りました。

問題の宗教団体とは旧統一教会、安倍元総理は一家三代にもわたって関与していたということ。

私はそのことを知り、安倍元総理の殺害に併せて更にショックを受けました。

旧統一教会といえば、信者に破産するほどの献金を要求したり高額な宗教グッズを買わせたりで、しばらく前から、いわゆる私にとっては特殊な宗教団体でした。

訓えの中味は知りませんが…… 基本的に宗教の訓えや教条とは似たりよったりと思っています…… 私にとっては耳にしただけで、オウム真理教にほぼ匹敵するほど身震いするような集団です。

が、なぜか、そのことはテレビやWEB上のニュースでは大きく取り上げられていませんでした。

宗教団体の具体的な名前が明かされ、統一教会の代表の会見があったのは参議院選挙後でした。

私はこの点で、メディアが大きな力に左右されているなと思いました。

それとも無念の死を遂げた安倍元総理大臣に敬意を払い悼みの気持ちを先んじたのでしょうか。


どうもおかしいと首を傾げながら、私は参議院選挙日には投票してきました。


安倍元総理は統一教会の信者でもなく顧問でもなかったということですが、大集会にビデオメッセージを送っていたとのこと、これはそれなりに関与していたということは事実だったと私は解しています。


その昔、選挙とはお金で動いていました。都会のことは知りませんが、少なくとも私が住んでいる地域は金と地縁血縁が票を決めるといわれていました。

特に「金を握らせる」ことです。

もしかしたら、このやり方は都会であれ地方であれ全国的なものだったのかもしれません。

どんな優秀な人間であれ、金と地盤が無ければ当選することはできなかったのです。


日本の教育の成果でしょうか。近年、この有権者に直接金を握らせ票を買い取る傾向はかなり薄れてきたように思っています。

おそらく当地からは無くなったと思います。

金絡みでなくなった現代の選挙は少なからずクリーンになった、良かった、良かったと、呑気な私は思い込んでいました。


が、その思いは今回の安倍元総理銃撃事件で覆されました。

国政を左右する選挙の票獲得、集金手段が、どうやら宗教団体等との癒着になっていたようです。


仮に山上容疑者を正気と見なすと、一人の人間が他殺であれ自殺であれ、「人間を殺す」という行為を計画するには並々ならない事情があり、それを実行するには周到の用意と決断力、実行力を要したと思います。


旧統一教会への個人的な怨恨から、無関係の安倍元総理を殺したのは論理的ではないという説もありますが、晴らせない恨みはとかく増大し、それが日を追って長くなればなるほど恨みの矛先は周辺の人間にも及び範囲は拡大するでしょう。

恨み先の周辺に存在し可視的に見えているということは、恨み先と同類の人間であり、その関係者と見做しがちになります。

人間は論理だけで生き行動する生物ではありません。


一国の長にも就いた政治家たる者、行動には慎重でなければならなかったのではないでしょうか。

或いは、こうした人間の行動を論理的に推量できなかったから、軽率に行動し殺されたのでしょうか。

或いは、個人など眼中に無いちっぽけな蟻一匹のような存在であり、踏み潰すだけでこの世界から消滅すると思っていたのでしょうか。


今後はこの事件を機に、不気味な宗教団体等と政治の関係の闇が明らかににされ、国民の安全が心身共に脅かされず、一人一人が尊重されるよりクリーンな社会が実現されることを祈っております。


合掌








2022年7月12日火曜日

WiFi 不調の暑さ/ Overheat of ROUTER

 

今日は比較的涼しい一日でしたが、昨日は当地も日中の最高気温32度で酷暑でした。

暑さに弱い私には堪え難い気温でした。

幸い夕方になって涼しくなったのが救いでした。

が、どうもWiFiの調子が悪いことに気づきました。iPhoneWiFiがあまり働いていない、どうしたんだろうとモバイルではその程度に思っていました。

完璧におかしいのが判ったのは、メールをしようと思ってノートパソコンを起ち上げたときでした。

ノートパソコンはWiFiでつないでいます

こういうときにはモデムやルーターの電源を一旦切って再度入れ直すとたいてい直ります。

ということで、機器を置いてある隣室に行き、機器に触ったところ、ものすごく熱くなっていました。

すぐに原因はオーバーヒートと判断し、全部電源をコンセントから抜いて切ったあと、機器を少し冷ましてから入れ直したら無事にインターネットができるようになりました。

が、昨夜は、それからまたいろいろ対策を考えて遅くまで試行錯誤しました。

結局、一度ルーターを冷ましたほうが一番良いのではないかと思い、再度電源を抜き一晩冷ましておきました。

NTT東日本から借りている機器は電源を抜かず、そのままにしておきました。ひかり電話の回線がつながっているからです。いつなんどき何が起きるかもしれません。電話を一晩切りっぱなしはまずいかなと思ったからです。

暑さで支障が出くるのは人間だけではないようです。

機械も気を付けなくてはいけないと昨日はつくづく思いました。


※写真は梓の花です。


2022年7月7日木曜日

梓/ Yellow Catalpa ...20220707


かねてより知りたき木の名を知りえたり

昨夜(きぞ)の雷避(よ)くやキササゲ



以前から知りたいと思っていた木の名前が分かりました。キササゲの木です。

ささやかな「知る」というイベントですが大事にしています。いつもの散歩中、知ったきっかけは、その木が花を咲かせていたからでした。

それなりに高い木で、四方にひろげている葉と垂れ下がっている実は、何となく見ていて木名を知りたいとも思ってはいましたが、調べることに熱意はありませんでした。
その木の花を見るのは初めてでした。

<あれ、ここに花が咲く木なんて、あったっけ?>

少し遠目では白っぽく親指ほどの花を鈴なりにつけていました。
近づいてみました。
一つ一つの花は蘭に似ています。
葉っぱは大きく葛に似ています。
木の下で、私はiPhoneで調べました。

ありました、ありました、ノウゼンカズラ科の落葉高木のキササゲ(木大角豆)です。きっとキササゲです。別名も私は調べます。木や花の名前にはよく別名があり、歌を詠む場合、別名を使った方が風情が出る場合があるからです。

カミナリササゲ、カワギリ、ヒサギとも呼ばれています。中国名では梓とのこと。梓について調べると、新旧細かい分類上の行き違いがあるようです。万葉の時代から歌に読まれた梓は、現在はキササゲではなくカバノキ科のヨグソミネバリ(ミズメ)が定説とのこと。が、本来的には梓はキササゲとのこと。なんだか頭がこんがらがってきました。

また梓についていえば、それは令和の徳仁天皇の御印とのこと。

私はここで大変な木を知ってしまったように感じました。「梓-あずさ」「梓弓」「上梓(じょうし)」とよく本の中で見たり聞たりしてはいましたが、実際、梓とはどんな木か知りませんでした。実物を今まで知らなかったのが恥ずかしくなりました。
おそらく何処からか飛んできて根をおろした野生の木だとは思いますが、名前を知り好きになりました。

梓という名前が気に入りました。万葉の時代の梓がどうやらミズメだったとしても、梓=キササゲは中国本来の木名です。


しばらくは梓を見上げ佇まむ

花の心に現(うつ)し身よせて


万葉の時を経たるや梓の木

幾年過(よ)ぎりわれ此処にあり


その花容 蘭にも似たる梓花

東西行き交ふ歴程おぼゆ



All rights reserved (C)2022Rika Inami



2022年7月2日土曜日

夏鶯・Warbler - 20220702

 


今朝の散歩で面白いことがありました。

この頃、先日まで朝しきりに呼び掛けていた自治体の環境課の「熊出没注意」の警報車がまわってきません。

それをいいことに、いえいえ決して熊に油断はしていませんが、今朝はいつもの散歩コースをとりました。

山間に足を踏み入れたのです。見たところ畑もあり、あまり危険では無さそうです。こんな油断がいけないとは十分承知しています。が、やはりアスファルトで舗装されていない土の道は足裏に程よい感触があり、辺りの景色も折々の樹々や草木の変化が眺められ、退屈しない散歩コースです。

山間の入り口付近、私はいつもよりも静かだなと思いました。

いつも「ホーホケキョ、ホーホケキョ」と甲高く啼いていた鶯の声が聞こえなくなったのです。

ああ、夏だからとうとう鶯も啼き已んだんだなと思いました。


鶯のやうやう啼きやみ夏きたる繁る青葉は隙を埋めをり

 

私はその場で足を止めiPhoneに書き留めました。

それから数分そのまま歩を進めました。

歩を進めるにつれて小鳥のピー、ピー、ピー、ピッ、ピッ、ピッ等、何種かの小鳥のさえずりが入り混じって聞こえてきました……どんな鳥が啼いているのかしら、鳥の名前を知りたいなあ……

と、なんと今度は鶯が「ホーホケキョ、ホーホケキョ、ホーホケキョ」と盛んに啼いているではありませんか。

うーん、鶯さん……テリトリーの場所を変えたのかしら、と私は思いました。鶯は繁殖やテリトリーの関係で夏でも啼くとのこと。さっきの歌を変えなくちゃ。

 

夏きたる老鶯なほも身を潜め青葉繁葉の隙に鳴きたり

 

まるで私の目の前か、頭の上かで啼いているようです。鶯と私の距離は近いはずです。私は、先日来、鶯の写真を撮りたものだと目を凝らしてあたりを眺めています。45倍の倍率があるカメラ(デジカメ)のレンズを伸ばしてあちこち見回しました。が、今度もどこに潜んでいるのか分からずじまいでした。

私をからかっているのかしら?

私は今日も鶯の姿を認めることを諦めました。


わが漫ろ惹くや鶯 冴え澄みし啼き声たかく君ともおもふ


この山間の道は数分も歩けば終わります。その後は農道の道です。私は農道へと続く下り坂への道を歩いていきました。杉林あたりにかかりました。あ、ピタリと鶯の声が已みました。不思議なほどピタリです。

錦糸梅が咲いている農道に続く坂道の下に着いたとき、私の胸のなかには既に妄想やら何やら楽しいもやもやしたものがわき上がってきていました。


老鶯や森去る我が背見送るかうるはしき声ぴたり已みたり

 

All rights reserved(C)2022Rika Inami 稲美里佳








 


睡蓮の蕾-Water Lily's Buds 20220702

 

当地はまだそれほど暑くはなっていませんが、一昨日、私は熱中症になったようでした。天気は雨が降ったり止んだり。降り止むと晴れ間が見えました。梅雨が明けたとはいえ、梅雨を感じる一日でした。

たしかなことではありませんが、日中急に異様な眠気におそわれ私はそのまま眠り込んでしまったのでした。目覚めると少し吐き気がしました。気温を見ると、室内気温27くらいでそれほどでもありませんでした。が、湿度がやや高かったかなと思っています。

湿度60()、温度計はデジタルですが、亡くなった義叔母からもらったもので、古くて不正確の可能性があります。

家の通気はといえば、涼しい風が家内を吹き抜けていたので、こんなに気分が悪くなったのは全く予想外でした。

大したことをしていませんが、疲れもあったのかもしれません。大した事をしていないと「やらなければならない」という意識が迫り自分に負荷をかけてしまいます。

電力不足が叫ばれ節電と言われているこの頃、私は家のなかの整理とともに家の中の風通しをさらによくしました。部屋の窓への簾掛けも去年よりも増やしリビングにまで掛けました。

私の居室や寝室は2階にありますが、片付けで使う部屋が1室増え暑いときには、北の部屋を使うようにしています。北側なら、エアコンを使用しても省エネになるなと思っているからです。

我ながら3室も使えるのは贅沢なことだと思っています。

昨日は用事で少し遠出をしました。遠出といっても往復距離200kにもなりませんでした。大仙市や秋田市では最高気温23度前後で涼しい一日でした。相変わらずの梅雨空で、車を運転していると霧のような雨がフロントガラスを時折濡らしました。