Powered By Blogger

2021年6月20日日曜日

五月雨/ Early Summer Rain from AHI 20210620

 

いね足らぬ朝は明けきて五月雨の滴りを聴く憂ひけふもや
 
sleepless dawn
and I hear summer rain
drizzling--
today may become
another gloomy day


(C)2021Rika Inami稲美 里佳

From Tanka by Rika Inami46


drizzling
from the bygone night
drowsy mourn

🄫Ashoka Weerakkody


池の上のワインレッドの睡蓮の葉葉にうかぶる五月(さつき)の憂ひ

 

melancholy of May…

I leave it on the wine-red

young leaves

of water lilies floating

on a dark pond


(C)2021Rika Inami稲美 里佳

From Tanka by Rika Inami46


dewed rose
in the soft breeze
trembling and bowing
to the tree stump
I pay my respect
(C)Laughing waters


Thank you for translating my tanka into Indonesian.

*
senja terjaga
dan kudengar rintik hujan
di musim panas--
hari ini mungkin menjadi
hari sendu lainnya

Indonesian translation by Lisbeth Ho 
*




藪椿/ Wild Camellia from AIH 20210620

 

山つばき冬厳しきの地にありて皐月の空に紅(くれない)ささぐ

 

mountain camellias

in a region with harsh winter

dedicate

their crimson blooms toward

the early summer sky in May


(C)2021Rika Inami  稲美 里佳


From Tanka by Rika Inami 46


梅雨空に十首の短歌(うた)の花が咲き心の痛み晴れて美空に

🄫Ryuuji Suwa




あらがねの土の温みに藪椿おのが季(とき)知りやうやうに咲く

 

now

the rich soil warming up:

wild camellias

know their season finally comes

and are in full bloom


(C)2021Rika Inami  稲美 里佳


From Tanka by Rika Inami 46


Previous 前  Next 次



漆黒/ Pitch Darkness -AIH 20210620

 

漆黒の未知の魔の風入りたるか摩擦に喘ぎ我が身の軋む

 

a pitch-dark

unknown evil wind must have

entered me

my body creaks

as I gasp at the friction


 (C)2021Rika Inami稲美 里佳


From Tanka by Rika Inami 46


a night owl
seeking a dark corner
trespassed

(C) Ashoka Weerakkody


stargazing
in the middle of the sky 
I see a star 
I don't recognize 
your face my friend...

midnight ...
me and the moon 
walking around the lake 
scooping the  stars 
with my beach hat 

(C) Laughing waters

瞑想は心を無にし魔の風も摩擦喘ぎも凌駕するもの

(C) Ryuuji Suwa

苦しみて我が身をせむる事なかれ世の中全て移り行くもの

(C)岡本 信一






Previous 前  Next 次


To my Interview on Poetry Matters

 Rika Inami Facebook: https://www.facebook.com/rika.inami.35

My Tanka and me on 2526-27,47,67747880-81

TANKA HARAKO: 短歌 原狐 Kindle Edition

TANKA HARAKO Ⅱ: 短歌 原狐 Ⅱ Kindle Edition

TANKA HARAKO Ⅲ: 短歌 原狐 Ⅲ Kindle Edition

TANKA HARAKO COLLECTION1 短歌 原狐集 1

<現在他のブログで連載中の小説/ Rika Inami's Novel writing on the other blog>

〇短歌小説 五次元歌人: 
こちらは現在、私の他のブログにて連載中です。

 

2021年5月23日日曜日

谷空木/Weigela Hoetensis 20210523


谷空木の紅色はしき繁山の緑さえゆく間(はざま)にふける

indulging
in the mountain air
here and there...
pink deutzias are in bloom
greeny thriving more and more

(C)2021Rika Inami 稲美 里佳


 
 近辺の山々が青々と美しくなりました。花は紅色の谷空木を山の中のいたるところで見ます。谷空木は当地では「いわし花」と言われています。イワシが大量にとれる頃に咲くから、そのように名付けられたようです。とても愛らしく綺麗な花ですが、イワシという名から生臭い匂いが感じられるということで仏壇に供えることはできません。家内に悪いことを呼ぶ縁起の悪い花ともいわれ庭に植えることも禁じられています。まだそんなことを聞いていなかった子どもの頃、あまりにも山のなかで見た谷空木が愛らしかったので、持ち帰り、ご近所に持っていったら、返されたことがあります。幼な心に悲しい思いがしましたが、この日以来、イワシ花とはどういうものか知りました。
 この地に住んでいるわたしには山でしか見られない花です。

In English

     The mountains in the vicinity have become lush and beautiful. The pink weigela hortensis, a kind of deutzias, can be seen everywhere in the mountains. It is called "Iwashi Bana/ Sardin Flower" here in these areas. It is so named because it blooms when sardines are caught in abundance. It is a lovely and beautiful flower, but we cannot offer it to the Buddhist altar because of its fishy smell. It is also said to be a flower of bad luck, bringing bad luck into the family, and it is forbidden to plant it in the garden. When I was a girl and had not yet heard of such a thing, I saw the weigela hortensis in the mountains, which was so lovely that I took it home and gave it to my neighbours, who returned it to me. It was a sad moment in my childhood, but I have learned what the sardine flower is since that day.

    It is the flower that I can only see in the mountains.





Previous 前  Next 次



To my Interview on Poetry Matters

 Rika Inami Facebook: https://www.facebook.com/rika.inami.35

My Tanka and me on 2526-27,47,67747880-81

TANKA HARAKO: 短歌 原狐 Kindle Edition

TANKA HARAKO Ⅱ: 短歌 原狐 Ⅱ Kindle Edition

TANKA HARAKO Ⅲ: 短歌 原狐 Ⅲ Kindle Edition

TANKA HARAKO COLLECTION1 短歌 原狐集 1

<現在他のブログで連載中の小説/ Rika Inami's Novel writing on the other blog>

〇短歌小説 五次元歌人: 
こちらは現在、私の他のブログにて連載中です。

 

2021年5月20日木曜日

紫蕨青蕨 20210520

 

今日に知る紫蕨青蕨われ山菜とりの初心者なり

today, I learned 
there are two kinds of bracken
purple and green
I am a beginner 
at picking wild plants

(C)2021Rika Inami稲美 里佳


   ちなみに昨日の蕨採りで私は蕨には紫蕨と青蕨があることを知りました。採りおわった頃、私は付近の農家の男性と会いました。私のビニール袋のなかの蕨は透けて見えていました。

「なえでが、青蕨が。紫蕨でにゃばな」男性は言いました。

「えっ、蕨って、種類があるんですか?」私は訊きました。


「んだ」


「これって食べられないんですか?」

「喰えるごどはくえるごど、あんまりうまぐにゃべ。紫蕨がねばってうまにゃ」

 少しばかりでしたが、どうやら私が採ってきたのは、ほとんど青蕨のようでした。それでも食するに可ということで、私はほっとしました。このとき初めて、以前から気になっていたのですが、どうして私が採った蕨は売られている蕨と色が違うのかが分かったのでした。

「これがらだ。ほら、もっとあっこら辺りに入っていけば、紫蕨、採れるべ。まず、長靴履いてきてな」

 私の足元を見ながら男性は言いました。私はいつものスニーカーを履いてきていました。スニーカーは草むらの朝露でびっしょり濡れていました。男性が指さした方は山のもう少し奥まったところでした。もしや、熊が出たらどうしよう、怯えが私の胸を過りました。たしか、この辺りでも昨年の夏、熊出没の警報が出たはずでした。

 このぐらいで今年の蕨採りはやめようかなと思っています。たぶん......これで十分かなと思いながら、私は帰途につきました。


Before        Next 次




山藤と朴 20210520


  山藤の朴に枝垂れて郁郁と皐月の調べふかくもわたる

 wisterias in the mountains

weeping on magnolias…

 sweet fragrance

deeply flows in the breeze

 the tune of May fills the air.


(C)2021Rika Inami稲美 里佳

 

 少し体調をくずしてしまいました。ここ2タ月半ばかり気がかりなことがあり、また今月に入って新しいことにも取り組んだりし、よく眠れない日があったせいかと思っています。お天気が良いにもかかわらず、好きな朝のウォーキングにも行かなかったことも、一因かもしれません。

 が、今朝は、新しくやろうとしていたことが一段落ついたので、蕨採りをしようと思い立ちました。山は青々と萌え出でる生気にあふれ、山菜も出ている頃です。実際、近所の人は山菜採りをしてきています。

 ビニール袋とビニール手袋を持ち、家を出ました。家から3kmぐらい先の里山の入り口付近に蕨を採れるところがあります。去年もそこで採りました。町を抜けてから国道の横断歩道を渡り、農道をしばらく行くと集落があります。

 道すがら目に入ってきたのは、五月の美しさです。あいにくの曇天ではありましたが、西空に控える山々に垂れ込み霞みがかっている雲は微妙な流れを見せていました。村里に入ると、桐の高い枝に花が薄紫色の花が咲いていて、いくつかの花はぽとりぽとりと道に散っていました。

 ―家に巣ごもりしているあいだに、もうこんな季節になったんだー

 その少し先の坂道をのぼり山への入り口付近に、蕨が採れる場所があります。が、既に人に入られていました。白いマスクが幾枚か落ちていたのです。

 ーまあ、こんなところにマスクを落としてー

 蕨は採られたあとなので、もちろん期待していたほど採れませんでしたが、それよりもマスクが落ちていたことに、私はがっかりしました。

 ここには大きな葉を広げ香り高い美しい花を咲かせる朴もあります。朴が咲くには早いかしらと思って見上げましたが、もう咲いていました。遮るものなく東西の陽光をいっぱいに受けて、ぽっぽっと大振りの葉のなかに白い花を咲かせていました。蕾もまだまだあります。ところが、なんとその朴を凌いで朴に接している山藤がぼおっと枝垂れ絡むように、紫色の香りゆたかに美しい花を咲かせてもいたのです。つづき


Before    Next 

    

  To my Interview on Poetry Matters

 Rika Inami Facebook: https://www.facebook.com/rika.inami.35

My Tanka and me on 2526-27,47,67747880-81

TANKA HARAKO: 短歌 原狐 Kindle Edition

TANKA HARAKO Ⅱ: 短歌 原狐 Ⅱ Kindle Edition

TANKA HARAKO Ⅲ: 短歌 原狐 Ⅲ Kindle Edition

TANKA HARAKO COLLECTION1 短歌 原狐集 1

<現在他のブログで連載中の小説/ Rika Inami's Novel writing on the other blog>

〇短歌小説 五次元歌人: 
こちらは現在、私の他のブログにて連載中です。